あくまでもキャブ車(純正CVキャブ)での「平成11年排ガス規制」に関してだけの考察です、改訂後のさらにキツーい排ガス規制やインジェクション化後の車体には触れませんのであしからず...。
うちのスポーツスターは、2003年製でXL1200Sの最終モデル。
平成10年から250cc以下のバイクで始まった「排ガス規制」は平成11年には250cc以上の小型二輪自動車にも適応されることになり、当然うちのXL1200Sは「平成11年排ガス検査」適応車両となっています。
二輪の小型自動車(大型バイク)「平成11年排ガス規制」では
CO:4.5%以下の数値をクリアしなければなりません。
HC:2,000ppm以下
ちなみに、平成17年以降大幅に見直しされた「平成19年排ガス規制」での値は
CO:3%以下
HC:1,000ppm以下
となっています。
(ここでほぼキャブ車は絶滅する運命となったようです...)まぁ、年々規制が厳しくなって行くのは時代の流れでどうにもならないので、うちのスポに永遠に付きまとう「平成11年排ガス規制」についてだけまじめに考えます。w
1996年に発表されたXL1200S(SportSter Sport)は1998年からツインプラグ化(燃焼効率の向上)され、よりいっそうスポーツ性能を高めたモデルになりました。ただ、基本的な構造はそのまま(多分)に2000年以降のモデルでは「排ガス規制」に対応するためのセッティング変更が施されているようです。
実際「排ガス規制」の検査って一番燃焼効率の悪いアイドリング時に計るので、メインジェットのサイズを小さくしたからといってどんな効果があるのか解らないけれど、たぶんミクスチャーなども締め込まれてガソリンの供給は薄目にセットされているのは間違いないと思われます。
他の年式のミクスチャセッティングがわからないけれど、2003年式XL1200Sのノーマルセッティングは以下の通り。
メインジェット:#185スポーツスター独特のマフラーは、サイレンサーにはなっているけれど触媒は入っていません。結局は燃調だけで「平成11年排ガス規制」をなんとかクリアしているため、全て純正状態にしても排ガスの数値は合格ラインギリギリでなのです。
スロージェット:#42
ミクスチャー:全閉から「1-1/8回転」戻し
純正のキャブセッティングで、ちゃんと発火すれば、間違いなく"CO"(一酸化炭素)の値はクリア出来ます。(メチャクチャガスが薄いですから...w)
ただ問題は"HC"(ハイドロカーボン=炭化水素)で、これはガスが薄過ぎても数値が上がるそうで、「理論空燃費」を越して酸素率が高まっていくと今度はガソリンが発火できない状態に陥ってしまう。
当然失火した状態が発生すると、生ガスが排気されるので当然"HC"濃度が急激に上がってしまうという理屈。
かといってガソリン濃度を濃くすれば"CO"の値が上がってしまうので、対策としては混合比はそのままに「アイドリング回転数を上げてガソリン量を増やす」という戦法を使います。
要は「完全燃焼」されせば"HC"の値は落ち着くのでエンジンが安定して燃焼する回転数までアイドルスクリューで上げちゃえば良いのです。
実際にテスターで測定しながら数値を見てみると、1,000rpm以下の回転数では3,000ppm以上の値を示している"HC"の値も、アイドルスクリューを徐々に締め込んでいくと1,500rpm位で2,000ppmは余裕でクリアし、2,500prmぐらいまで上げると1,000ppmも切るくらいに下がってきます。(ハーレーでアイドリング2,500prmはキツイけどね...)
ユーザー車検時の「排ガス規制」対策としては、「"CO"値を余裕でクリア出来る所まで薄目に振って、あとはアイドリングの回転数で"HC"値をクリアする。」って方法をとればそれほど悩む必要はなさそうです。
【以下参考にさせてもらったサイト】
「排気ガステスタの活用方法パート I」(一般社団法人 大分県自動車整備振興会)
「車検 排ガス HC CO 調整の傾向と対策」(Lakehill-Garage.com)
初めまして。
返信削除とても参考になり、排ガス規制が心配でしたが、ユーザー車検合格して参りました。
年式は同じですが、私のは883です。
同じ県なので陸運局も同じで、過去のブログ全てが参考になりました。どこかでお見かけしましたら、お声掛けさせて頂ます。ありがとうございました、
yokoiさんはじめまして。
削除ユーザー車検合格おめでとうございます。
私も来月には再び陸運支局に出向きます。w
もう、よほど心配している事はないのですが、前回の車検後に取り付けたビキニカウルが邪魔で現在光軸調整が出来ていません。
外すのも面倒だしちょっと悩んでるところです。
(^_^;